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思ったことをなんでも話してしまう

アスペルガー症候群のコミュニケーションの特徴として、言葉を選ぶとき、相手の感情に配慮できないところが悩みの種です。

例えば、アスペルガー症候群の人は、太っている人に「太っていますね」とわざわざ告げることがあります。
社会経験の少ない子供時代に、よくあるトラブルです。

本人には、相手を傷つけるつもりはありません。
正直に話しているだけなのです。
しかし、悪意がないからといって、相手が納得してくれるわけではありません。

どうしてわざわざ相手が聞きたくないことを言うのか。
アスペルガー症候群の人は、人の気持ちを察するのが苦手だからです。

話し相手の表情やしぐさ、遠まわしな発言から、真意をはかることが不得意です。
また、自分の発言を相手がどう思うか、想像することも困難です。

コミュケーションの特性と想像力の特性が総合的に不用意な発言を生み出しているのです。

大多数の人は、相手が傷つくことがわかっていれば、嘘をついてでも発言を調整します。

アスペルガー症候群の人にはそれができません。
嘘の世界をもつことができないのです。
それが短所とも長所ともなります。

言葉を定義どおりに使う

コミュニケーションとしては不完全でも、言葉を文法上正しく使うことができ、語いも豊富なのが、アスペルガー症候群の性格の特徴です。

アスペルガー症候群はしばしば「小さな大人」と言われますが、それは年齢に似合わず、難解な言葉を使うことがあるためです。

たまたま大人びた表現をすることは、誰にでもあります。
しかしそれが続くのが、アスペルガー症候群の人たちです。
言葉に対する感覚が根本的に違います。

アスペルガー症候群の人は、本などで覚えた言葉をそのまま、場面を選ばずに使う傾向があります。
日常生活では使わない言い回しでも、気にせず使います。

それが、年齢や場面に合わない言葉づかいとなり、まわりの人には奇妙にうつります。

難解な言い回しを使ういっぽうで、簡単な言い方を理解できないことがあります。
文脈の理解が苦手です。

たとえば来客に「お母さんはいますか?」と聞かれ、「います」とだけ答えます。
来客の「母親を呼んできてほしい」という、言外の意味がつかめません。

得意なのは、あくまでも定義どおりの理解なのです。

いつでもマイペース

アスペルガー症候群の人は、常識やマナー、人間関係、しきたり、しがらみなど、目にみえない社会的通念がよくわからず、困っています。

周囲の人は「自分勝手」などと言って困惑しますが、本人もまた、暗黙の了解に戸惑い「なぜ説明してくれない」などと困っているのです。

本人は、常識を理解できないのではありません。
説明を受けていないので、知らないのです。
説明なしで、他人のふるまいから常識を把握するのは、アスペルガー症候群の人には難しいことです。

一般常識を具体的に説明するとともに、マイペースな言動もある程度許容することで、本人のよい面が発揮されはじめます。

ルールは納得できれば守る

常識やルールは形のないものです。
目にみえません。
だからアスペルガー症候群の人には理解しづらいのです。
目にみえる形、たとえば文章で示せば、納得でき、守ることもできます。

アスペルガー症候群の人は、一見非常識にみえる行動をすることがありますが、決まりを破りたいわけではなく、本人なりの理由があります。

たとえば、教室から無断で出るというトラブル。
本人にわけをたずねてみると、「ドアが開いていたから出た」など、思いもよらぬ理由がわかる場合があります。

アスペルガー症候群の人は、一般常識を完全に把握することはできなくても、部分的に理解し、自分なりの秩序をつくっている場合があります。

「授業中は外に出ない」ではなく、「ドアが閉まったら外に出ない」という具合に、少しずれた理解になっているだけだったりするのです。

本人なりの秩序を尊重したうえで、一般常識を説明し、納得してもらいましょう。
具体的に文章で示すと理解しやすくなります。
一度、納得できれば、それを規則として守ることは得意です。