からし菜の画像

からし菜は、「芥子菜」や「辛子菜」と書き、鎮痛、消炎、浄血の効果が期待できます。

からし菜は、東北地方から北海道にかけて盛んに栽培されます。
その名のとおりカラシの原料になる野菜です。
からし菜の種子は和ガラシやマスタードに変身したり、薬用にも利用され、葉は栄養豊かな野菜です。
栄養価はカルシウム、鉄分、カリウム、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンCが豊富に含まれてます。
カロリーは100gあたり26kcalとなっています。
他の栄養素の100gあたりの栄養価は、
カロテン 2800μg
ビタミンK 260μg
葉酸 310μg
カリウム 620mg
カルシウム 140mg
ビタミンC 64mg
となっています。

からし菜は中央アジアが原産でアブラナ科の越年草です。
タカナに似ていますが、葉が羽状に深く裂ける点と、茎や葉にわずかな毛があってざらつく点が違います。
草丈は1.5メートル程度で、寒冷地好みのからし菜に対してタカナは関東より西の地方が多い。
からし菜の葉は大根の葉に似た、深い切込みが入った形状で、長さ20~25cm位で収穫されています。
葉にも種子にも辛味があるから辛し菜の名がつきました。
日本へは中国から伝わり、平安時代の「本草和名」では「芥」の項目で「加良之(からし)」と記されています。

辛味の素になっている成分はシニグリンという物質ですが、これ自体に辛味はなく、ミロシナーゼという酵素によって加水分解の結果生ずる物質が辛味を出します。
ほかにはカロテンとビタミンCが豊富です。
カルシウムやカリウムなどのミネラルにも恵まれています。
カロテンが不足すると、暗いところでの目の順応性が失われやすくなります。
極端に欠乏した症状が夜盲症で、江戸時代には鳥目といわれました。

種子からは「芥子(からし)」をとります。
芥子の成分も精油配糖体のシニグリン、酵素のミロシナーゼ、それに脂肪脂など。
漢方では芥子の効能を「腫れをのぞき、寒湿による疼痛に効く」といいます。
よく用いるのはからし湿布。
芥子を粉末にしてぬるま湯で泥状にし、厚手の布に塗って痛むところに貼ります。

からし湿布は局部の充血を促して新陳代謝を盛んにし、体の深部にある炎症や痛みを鎮めるための刺激療法です。
5~10分も
経つと貼ったところに痛みを感じるからはがしてやります。
皮膚の弱い人は芥子を貼るとき下にガーゼを敷くといい。
このからし湿布は神経痛、リウマチ、気管支炎、そして肺炎の初期にも応用されてきました。

肺炎のときは胸部に貼ります。
外用だから刺激の度合いは自由に調節できるわけで、かぶれにさえ注意すれば副作用の心配もありません。
中国では顔面神経痛麻痺にも応用していると聞きましたが、目などの粘膜を傷める懸念があるので素人療法は止めましょう。
ちなみに民間療法でも、漢方の手法が伝承されたいろいろな利用法がみられます。

薬用だけでなく、加工食品としてもからし菜の存在は大きいといえます。
日本のからし菜の種子を粉末にしたのが和ガラシ、シロカラシナからはアメリカのマスタードを、クロカラシナの種子からはヨーロッパのマスタードをつくります。
食の洋風化につれて香辛料の需要も著しく伸びてきました。
食材の味を引き出し、食欲を刺激する作用が香辛料のメリットでしょう。
からし菜の旬は冬から初春にかけてです。

からし菜にはアブラナ科に共通の成分である、グルコシノレートが含まれ、噛んだりすることで野菜の細胞内に含まれる分解酵素と混じりあい、抗がん作用のあるイソチオシアネートという物質に変化することから、がん予防効果も見込めます。