食品添加物とは
食品添加物とは、食品衛生法第4条で、「食品の製造の過程において又は、食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう」と定義されている、食品に添加することで味を調える、長期間保存できる、色や香りをつけるなどの効果が得られる物質のことです。
なお、食品添加物は、安全性と有効性が確認され厚生労働大臣が指定した「指定添加物」、長年使用されてきた「既存添加物」、「天然香料」、「一般飲食物添加物」に分類されています。
添加物の使用基準
使用基準については、人が一生涯にわたって毎日摂取してもまったく影響がない量がADIという単位で規定されています。
実際に使用される添加物の量は基準値より少ない場合が多く、その食品を食べ続けたとしても、安全性には問題はありません。
食品添加物の表示義務
食品添加物は原則として物質名を表示しなければなりません。
天然香料以外の添加物は名称、別名、簡略名または類別名のいずれかを使用することになっています。
さらに、甘味料や着色料など、加工の用途に使用される添加物については、用途も併記することになっています。
香料や乳化剤などは用途別の一括名を表示します。
栄養強化の目的でしようされる添加物と、加工助剤、キャリーオーバーに該当する添加物は、表示が免除されていますが、日本農林規格にもとづく個別の品質表示基準で表示義務のあるものについては、表示が必要です。
食品添加物の役割
・食品の製造に必要なもの
豆腐用凝固剤、膨張剤、かんすいなど
・食品の嗜好性を高める
甘味料、着色料、調味料、香料、発色剤、光沢剤など
・食品の形を成型する
乳化剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤など
・食品の保存性を高める
保存料、酸化防止剤など
・食品の栄養成分を強化する
栄養強化剤
食品添加物の分類
・指定添加物
食品衛生法第10条にもとづき、厚生労働大臣が使用してよいと定めたもの(ビタミンC、キシリトール、乳酸など)
・既存添加物
指定添加物のほか、わが国において広く使用されており、長い食経験があるもの(フラボノイド、カラメル色素、カフェインなど)
・天然香料
動植物から得られる天然の物質で、食品に香りをつける目的で使用されるもの(バニラ香料、カニ香料など)
・一般飲食物添加物
一般に飲食に供されているもので添加物として使用されるもの(オレンジ果汁、寒天など)
食品の中の有害金属
食品中には微量の金属が含まれています。
亜鉛や銅など人体に必要な金属もありますが、これらの金属は摂取しすぎると中毒症状を起こしてしまいます。
また、金属にはメチル水銀やカドミウム、スズ、鉛のほか、ヒ素などの有害金属もあります。
かつて熊本県水俣市で発生した水俣病の原因物質はメチル水銀で、住民は水や魚介類からメチル水銀を摂取し発病しました。
工場からの廃水による公害、イタイイタイ病の原因物質であるカドミウムは、汚染地域の穀類などから摂取されたことがわかったため、現在では穀類のカドミウムの許容含有量が規定されています。
ヒ素はミルクへの添加物の不純物として混入し、多くの乳児に後遺症を残しました。
金属は人体に不可欠な物でもあるのですが、閾値を越えると害をおよぼすので摂取量には注意が必要となります。