オゾン層の画像

今の地球上にはたくさんの酸素があり、多くの動植物が陸上生活をしていますが、太古の地球には酸素がなく、太陽光線に含まれる有害な紫外線が降り注いでいました。
ですから、生物は無酸素状態での水中生活を余儀なくされていたのです。
もし陸へ上がったとすれば、その生物はすべて紫外線に焼き尽くされてしまうからです。

しかし、現在は、植物も動物も人類も陸に上がって生活をしています。

紫外線は非常に波長の短い光で、細胞のDNAやタンパク質を破壊する作用があります。
ところが水は紫外線を吸収するので、水中生活をする限り生物は紫外線の脅威から守られていました。
今でも紫外線殺菌が使用されているので、紫外線が生物によくないのは知られています。
その紫外線をカットできるようになり、ようやく生物が陸へ上がってきました。
そのポイントは地球を覆っているオゾン層です。
そのオゾン層は光合成細菌の働きの結果生じたものです。

光合成の重要な働きは2つあります。
ひとつは、光合成で生じた有機物が、全地球上での生命活動を維持している根幹だという点です。
人間の生活もすべてこれに依存していて、私たちが食べている米やパンはもちろん光合成産物そのものです。
動物の肉やミルクも100%光合成産物を変換したものです。
つまり牛などが草を食べる、その有機物が肉になり、ミルクになるわけで、魚も同じです。
すべて光合成を基本にして生物は生きています。

さらには、現代人の生活に不可欠な石油やプラスチック製品もすべて光合成のおかげなのです。
シアノバクテリアという光合成細菌の死骸が積み重なって石油のもとになりました。

もうひとつは、光合成の結果放出される酸素です。
酸素は光合成の結果、副産物として生じたものです。
光合成植物のおかげで、酸素がどんどん溜まってきて、その一部がオゾンになったのです。
オゾン層が厚くなって、外から来る紫外線を吸収するようになったので、生物ははじめて陸に上がることができるようになったのです。


ところが、現在ではオゾンホールというものが問題になっています。
人間生活が作り出した、たとえばフロンがオゾン層を破壊して、特に南極の上空にはオゾン層が薄くなって穴が空いてしまいました。
それがオゾンホールです。
その影響として、地球上に紫外線が直接差し込んで来るようになってしまったのです。
オーストラリアなどでは、紫外線の影響で皮膚ガンが増加していると言われています。

日本でも以前は、日光浴は体によいとされていました。
特に北海道や北欧では日照不足なので日光浴は大切で、子供は外で遊びなさいと言われてきましたが、最近では北海道でも日光浴はよくないと言われだしました。
これもすべてオゾン層の破壊の結果というわけです。

このオゾンホール問題は、永年かけて植物が光合成で作り上げてきた地球環境がいかに大切かを示しています。

オゾン層破壊の現状はですが、2009年には南極大陸の1.7倍のオゾンホールが発生しました。
1980年代~1990年代、オゾンホールが急激に拡大し、経年変動はありますが、今も拡大傾向にあります。

2011年4月には北極で観測史上最大規模のオゾンホールが発生し、最大80%のオゾンが失われました。

大気中に放出されたフロンガスは、分解されることなく、30年~50年間、対流圏内で存在し続けます。
対流圏からオゾン層のある成層圏へ少しづつ移動し続けるため、今後数十年にわたり、大規模なオゾンホールの生成が続くことになります。