口コミサイトの画像

2012年に、飲食店口コミ情報サイトの「食べログ」を舞台に、金銭を受け取って架空の好意的な口コミを代理投稿する「やらせ」を請け負う事業者が多数存在することが発覚しました。
ネット上のみならずテレビのワイドショーでも取り上げられるほど社会問題化したのです。

やらせはネットの口コミに限ったことではありません。
お店の新規開店日にマスコミの取材など入る予定で、客が少ないとまずい、と言う理由から、お店がサクラのアルバイトを雇って行列させるようなことがあるのです。
有名どころでいうと、マクドナルドが「クォーターパウンダー」発売日にこの手を使ったという。

新商品発売の日が盛り上がっているように見せる演出ですが、実際に行列に並んだアルバイトが「並んで食べてお金をもらえた」などと、サクラの実態を悪気なく暴露したり、日本マクドナルドが「発売当日の売上げが一日当たりで過去最高を記録」というニュースリリースを出したりしたことで批判が高まり、サクラ問題としてテレビのニュースでも取り上げられたのです。

やらせ代行業者は「口コミで低予算で売上げ倍増!」などの魅惑的なセールストークを仕掛け、お店や企業を誘惑します。
それらを利用する側も「やらせはよくない」とわかっていながらも「今度のイベントは失敗できない」といった窮地に追い込まれた状態では人間は弱いもので、藁にもすがりたくなるのです。

こうした誘惑に負け、手の内がバレてしまえば、批判を受けるのは依頼主の会社です。

たとえば、2011年に「やらせ口コミ」が発覚した「ヤフー!知恵袋」。
ネット利用者が投げかけた様々な質問に、利用者同士で知識や知恵を教えあうQ&Aサイトです。
その質問数は1億ほどもあり、回答総数は2億を超えます。

パソコンの操作で分からないことがあったり、エラーメッセージが出て困ったりした場合は、パソコンのサポートサイトにアクセスして該当事項を探すより、ヤフー!知恵袋や教えて!gooなどで検索した方が早いくらいです。
疑問や悩みを素早く解決できるとあって、2011年2月には京都大学の受験生が携帯電話で入試問題を投稿し、解答も寄せられていたことが発覚したのです。
知恵袋カンニング事件として話題にもなりました。

そんな知恵袋を舞台に事件が起きました。
知恵袋で企業・店舗の宣伝書き込みを代理で請け負うことを提案する営業資料が流出したのです。
提案主は、インターネット決済代行のほかSEOやサイト製作などを手がけるJ・Paymentです。

そのサービス内容には下記の内容が書かれていたといいます。


知恵袋で、お客様の商材を薦められるような質問を探す
→ユーザー目線の投稿を専任のライターが投稿
→本文にさりげなくURLやキーワードを入れる
→知恵袋からたくさんのユーザーに訪問され、認知度・問い合わせ数、成約数アップ


提案書にはさらに、「知恵袋では宣伝目的の投稿はNGで削除される可能栄があるため、一個のアカウントでいつも同じ商品を宣伝しないようにアカウントを分散」「同じIPからの投稿もヤフーから商用目的と目を付けられる恐れがあるのでIPも分散」と、ヤフーの監視の目をかいくぐって欺く方法まで説明していたのです。
つまりやらせの宣伝書き込みをバレないように請け負います、ということです。

やらせの蔓延に対し、消費者庁も腰を上げました。
2012年5月9日、やらせ口コミ投稿について、クロ判定を下しました。

同庁は2011年10月28日、「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」を公表し、現行の景表法で問題となる具体的な事例を挙げていました。
そこにさらに、下記の事例を新たに付け加えました。


商品・サービスを提供する店舗を経営する事業者が、口コミ投稿の代行を行う事業者に依頼し、自己の供給する商品・サービスに関するサイトの口コミ情報コーナーに口コミを多数書き込ませ、口コミサイト上の評価自体を変動させて、もともと口コミサイト上で該当商品・サービスに対する好意的な評価はさほど多くなかったにもかかわらず、提供する商品・サービスの品質その他の内容について、あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受けているかのように表示させること


この事例の追加からは、いわゆるステマの一掃に向けた消費者庁の強い意志が伝わってきます。