癌リボンの画像

子宮頸がんと子宮体がんは、近年急増していて、両者は同じぐらいの頻度になっています。

一般に、発展途上国では子宮頸がんが多く、女性の死亡原因の一位または二位を占めることが多いです。
逆に先進国では子宮体がんが多く、アメリカでは第四位の罹患率です。

なお、子宮体がんの死亡率は第八位です。
日本では、以前は今に比べればタンパク質や脂肪の摂取量が少なく、衛生状態も不良であったり、かつ分娩回数が多かったため、子宮頸がんが圧倒的に多かったのです。
しかし、最近は食事の欧米化や、結婚年齢が高く子供を産む回数が減るなどのため、子宮体がんが急増し、進行子宮頸がんと同じくらいの頻度になりました。

日本産婦人科学会に報告・登録された子宮がんの数は、1983年に子宮頸がんが「5450人」、2001年には「4453人」、2010念に「6582人」となっていて、子宮体がんが1983年に「976人」、2001年に「3250人」、2010年に「6665人」となっています。

少し前の統計ですが、日本では、子宮頸がんと子宮体がんを合わせて子宮がんとして死亡数や罹患数が推測されていました。
2010年厚生労働省「人口動態統計」の概数によると、1995年には死亡率が最低の人口10万人あたり7.7人を記録した後、2011年には9.4人と増加しています。
そして、子宮がんの罹患数も1990年から増加に転じました。
この理由は、子宮体がんが増加すると予測されているためです。

日本における子宮がん罹患数の将来推計は、1980年が約14000人、2000年が約13000人、2010年が約16000人、2020年が約20000人となっています。

子宮頸がんや子宮体がんが日本女性にどのくらいの頻度で発生するかの確かな統計はありません。
定点観測で一部地域のすべての人を継続的に観測して、日本全体の割合に置き換えて推定するのが正しいかもしれません。
日本の死亡原因の届出は、最近まで子宮頸がんと子宮体がんを子宮がんとして届けてきたため、死亡原因から子宮頸がんや子宮体がんの頻度を推計するのは容易ではありません。

厚生労働省「2005年人口動態統計」の子宮がん死亡数より定点観測と死亡原因の両方から子宮がんの頻度を推測してみます。
子宮頸がんも子宮体がんも新規発生数は同じで、死亡率は子宮頸がん35%、子宮体がん25%で、平均30%と仮定すると、子宮がんの新規発生数は、子宮がん死亡数を0.3で割り、約1万8000人と計算されます。
これを二分すると子宮頸がん、子宮体がんはそれぞれ9000人と推計されます。

全国11箇所のモデル地域の実観測値から1999年の子宮がんの新規発生数は1万8364人で、子宮頸がんはこの半分とすると、9182人と推計されます。

最近の報告でも子宮頸がんの0期である子宮頚部高度異形成と子宮頚部上皮内がんは、子宮頸がんと同じ数が毎年報告されているので、この0期を含めた子宮頸がんの新規発生数は、年間およそ9000人の2倍の1万8000人と推計できます。

0期の子宮頸がんは、子宮頚部の粘膜にとどまっている間は転移しないし、治療をすれば99%が治るということから、統計には含めたくはないという見解もあります。
しかし、患者さんの立場からは、自然に治ることはなく、そのうちに進行がんになり得ますし、婦人科医からみれば、円錐切除術あるいは子宮全摘術での治療が必要なため、これらの発生件数も含めた議論をしたほうがいいともいえます。