賭博の画像

賭博罪の種類

刑法の賭博および富くじに関する罪は、単純賭博罪、常習賭博罪、賭博場開帳・博徒結合罪、富くじ発売等罪の種類があります。

富くじ罪の「富くじ」とは、あらかじめ一定の番号札を発売し、その後、抽選その他の方法によって、購買者の間に不平等な利益の配分を行うことをいいます。
実行行為は「発売」「取次ぎ」「授受」です。
くじ札の有償譲渡が発売で、取次ぎとはその周旋をすることです。
発売、取次ぎ以外の一切のくじ札の授受行為が「授受」です。

偶然の事由によって広く財産上の利益の得喪が決まる点では、賭博罪も富くじ罪も同様ですが、賭博罪においては当事者全員が得喪の危険を負担するのに対して、富くじ罪では購買者が危険を負担するだけで、発売者は危険を負担しません。
賭博場開帳者も、理論的に得喪の危険を負担するものの、実際には富くじ発売者と同様に「主宰者」の地位に立つので、刑法典は、これらを他の一般的参加者から区別し、賭博場開帳罪および富くじ発売等罪としてより重く処罰しています。
賭博罪については常習加規定が置かれていますが、富くじ罪についてはこのような規定はありません。
法定刑も、富くじ罪よりも賭博罪の方が一般的に重くなっています。
賭博罪や富くじ罪については未遂処罰規定は置かれていません。
国外犯は処罰されていません。


単純賭博罪の判例

単純賭博罪の解釈でまず問題となるのは、185条但書の「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるとき」の規定です。
判例によれば、「一時の娯楽に供する物」とは、関係者が即時に娯楽のために費消する物、たとえば、その場で消費する飲食物・タバコなどをいうとされ、金銭は性質上、「一時の娯楽に供する物」とはいえず、たとえ小額であっても許されないとされます。
しかし、通説は、即時に費消する飲食物などの対価であれば「一時の娯楽に供する物」にあたるとされています。
行為は「賭博」で、判例は賭博罪が成立するためには、その勝敗が両方の当事者にとって偶然であることを要し、詐欺賭博などの場合のように、その勝敗が一方の当事者だけに偶然で、他方の当事者にとっては必然であるような場合には、賭博罪は成立せず、一方だけに詐欺罪が成立するとします。
ただし、技能の優劣のみによって勝敗が決まるものでないかぎりは偶然の勝敗といえるとして、賭け囲碁、賭け将棋、賭け麻雀についても賭博罪の成立を認めています。
勝者に一定の財物を給与すべきことを約して勝負が開始されれば既遂に達します。
勝敗が決まったことは必要ありません。


常習賭博罪の判例

常習賭博罪に特有の解釈問題は「常習」概念です。
常習性は行為者の属性、すなわち常習者の意味か、行為の属性、すなわち常習行為の意味かが議論されますが、学説は分かれています。
判例は前者の見解を採用しています。
そして、常習者であるかぎりは、一回の賭博行為であっても常習賭博罪が成立するとされます。
賭博場開帳罪は、賭博の主宰者を処罰する規定であり、開帳行為とは、利益を得る目的をもって自ら主宰者となってその支配下に賭博をさせる一定の場所を開設することをいうとされますが、問題は賭博者を一定の場所に集合させることが必要かです。
判例は不要だとして、一定の場所に電話などを設置して行う、いわゆる野球賭博を開設した場合も本罪が成立するとした判例があります。
博徒結合罪も、賭博場開帳罪と同様に、賭博の主宰者を処罰する規定ですが、開帳罪が個々の賭博の主宰者を対象とするのに対して、博徒結合罪の場合は、このような個別的主宰者をさらに背後で全般的に統括する者を大将とします。
東京高伴2006年11月28日高刑速報平成18-231は、ゲーム店に設置したパソコンを使用して、インターネットを介し、オンラインゲームの配信を受け、客にそのゲームを行わせていた事事案について、常習賭博罪の成立を認めました。