離婚を表現した画像

夫婦の一方が死亡すれば、婚姻関係は当然に消滅します。

したがって、法律上、生存配偶者は独身に戻りますので、その後は自由に異性と交際することができ、たとえ性交渉に及んでも、不貞にはなりません。
もちろん再婚することもできます。
ただし、女性は、夫が死亡した日から6ヶ月を経過した後でなければ再婚することがdきないことは、離婚した場合と同様です。

もっとも、離婚するのは夫婦仲が悪くなったからですが、死別の場合は、夫婦仲が悪くなったわけではありません。
むしろ最愛の夫もしくは妻を亡くして悲嘆に暮れるでしょうし、離婚と死別とでは全く状況が異なります。
死別の場合は、当分の間は再婚のことなど、考えられないのが通常の感覚でしょう。

死別と離婚の違い

死別の場合も、婚姻関係が消滅する点では共通しますが、下記の点で離婚とは違いがあります。

・相続
最も大きな違いは、死別の場合には相続が開始することです。
したがって、生存配偶者は、死亡した配偶者の遺産を取得します。
離婚の場合には相続は問題とはなりません。

・財産分与
離婚の場合は、財産分与が主要なテーマの1つになります。
これに対し、死別の場合は、財産分与は問題とはなりません。

・姻族関係
姻族とは、自分と配偶者の血族との関係、および自分の血族と配偶者との関係をいいます。
したがって、夫と妻の父母とは姻族関係にあります。
姻族は、配偶者から見た関係ですから、たとえば、夫の母と妻の父とは姻族関係になく、他人です。

姻族関係は、離婚によって当然に終了します。
これに対し、死別の場合は、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときにはじめて終了します。
なお、死亡配偶者と生存配偶者の血族との間の姻族関係は、当然に消滅します。

姻族関係の終了を望む生存配偶者は、いつでも役所の戸籍係に姻族関係終了届を提出することができます。
反対に、死亡配偶者の血族の側から生存配偶者との間の姻族関係を消滅させることは認められていません。

このように生存配偶者は、一方的に姻族関係の終了の届出をすることによって姻族関係を終了させることができますが、再婚して氏を改めても、それだけでは前婚時の姻族関係には影響がありません。
前婚姻時の姻族関係を消滅させるためには、別途、姻族関係終了届を提出しなければなりません。

・復氏
姻族によって氏を改めた夫または妻は、離婚によって当然に婚姻前の氏に復します。
これに対し、死別の場合は、当然に婚姻前の氏に復するわけではなく、生存配偶者が復氏を望んだ場合にのみ、婚姻前の氏に復します。

復氏を望む生存配偶者は、いつでも役所の戸籍係に復氏届を提出することができます。

・子供の親権者および監護権者の指定
離婚の際に夫婦に未成年の子供があるときは、子の親権者や監護権者の指定の問題が生じます。
これに対し、死別の場合は、親権者や監護権者の指定の問題は生じません。
生存配偶者が姻族関係を終了させても、また、婚姻前の氏に復氏しても同じです。

・祭祀財産の承継
婚姻によって氏を改めた夫または妻が、祭祀財産を承継した後に離婚をしたときは、当事者その他の関係人の協議で、祭祀財産の承継者を定めなければなりません。

協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、家庭裁判所が祭祀財産の承継者を定めます。

これに対し、死別の場合は、祭祀財産を承継した生存配偶者が姻族関係を終了するとき、または婚姻前の氏に復氏するときに初めて問題となり、祭祀財産の承継者を定めることになります。